2022/11/26 00:54
<Gravity(引力)>のように私たちを惹きつけるダイヤモンドの輝き。
人々を魅了しつづけるその輝きには、宝石の歴史とともにさまざまなカットが存在します。
今回は、その中から「Sliced Diamond」をご紹介します。
Shelbyの人気コレクションのひとつでもある「Sliced Diamond」は、日常のコーディネートをクラスアップしてくれるシャープな輝きが魅力です。
「Sliced Diamond」とは、その名の通り「ダイヤモンド」の原石を厚さ1mmほどにレーザーでスライスし、片面に極めて浅い“ファセット カット”をつけ、もう一面が平らな“テーブル”になるように研磨しています。存在感のある鋭い輝きを放つのは、これらのカット技術によるものです。
*ファセット カット・・・宝石の表面に角度の違う多数の小さな切子面( ファセット)が幾何学的に組み合わされたカッティング方法のこと。
そして技術の進歩により、原石を薄くカットすることができるようになったことはもちろん、それまでは石の価値を下げるものとされていたインクルージョン(石の内包物)も自然の芸術として扱われるようになります。
主にインドで生産され、2010年頃に米国の数人のデザイナーが自分のコレクションに加え始めたとされる「Sliced Diamond」。2013年、ようやくアジアでの販売が開始された頃、Shelbyを立ち上げたばかりのデザイナーAKIも「Sliced Diamond」と出会いました。
最も有名な宝石「ダイヤモンド」でありながら、オリジナリティのある存在に魅了されたAKIは、現代的で洗練された魅力を放つジュエリーになることを確信し、早くからShelbyのコレクションに取り入れました。
Shelbyでは「Sliced Diamond」の中でも〝凛とした存在感″を持つグレーカラーをセレクトしています。
厳選したニュアンスグレーの「Sliced Diamond」の本来の色の美しさを引き出すため、「Sliced Diamond」の下に同じ大きさにカットしたホワイトゴールドのプレートを入れるオリジナルセッティングを行っています。
アンティークのジュエリーから着想を得たこのセッティング技法と、現代のカット技術が時代を超えて、新しい輝きを放ちます。インクルージョンや模様もその魅力を最大限に発揮し、厚みのない「Sliced Diamond」の強度を増す役割も備えています。
このセッティングはShelbyのコレクション開始から一貫して変わらないデザインのひとつでもあります。(※「光を透過してしまう宝石の裏面に板を敷いて、強度アップと色や装飾を楽しめる」セッティング技法として、特許申請中です。「Sliced Diamond」シリーズには特許出願中を意味する<PAT.P>の刻印が入っています。)
リングは、それぞれの石に合わせて石枠のカラーやアームのデザインをしています。
写真上:明るめのグレーカラーの「Sliced Diamond」。ダイヤモンドの中央に入ったインクルージョンも美しいアクセントとなっています。White Goldの石枠とYellow Goldのアームのさりげないコンビネーションカラーで、シンプルなリングとの重ね着けもお勧めです。
写真中央:シャープな輝きの「Sliced Diamond」の眩い光と、ダブルアームに施された煌めくメレダイヤモンドが美しいハーモニーを生み出すプレシャスなリングです。指が美しく見えるバランスに計算されたダブルアームが洗練されたデザインです。
写真下: 菱形にセッティングされた「Sliced Diamond」がモードな印象。
「Sliced Diamond」の片隅に施されたメレダイヤモンドがキラリと輝く、クールでエレガントなスタイルに仕上げています。ダイヤモンドの力強い美しさにさりげなく煌めくメレダイヤモンドが華やかさを添えます。
ロックカットデザインを施したアームをアシンメトリーにセッティングしたデザインもさりげないポイントです。
Layered Ring との重ね付けもオススメです。
さまざまなデザインのリングを合わせるとコーディネートの幅も広がります。
写真左: Rose Cut Diamond×Layered Ring
写真右: Sliced Diamond ×Layered Ring
ネックレスも、それぞれの石に合わせて石枠のカラーやチェーンが異なります。
こちらは、モダンなデザインのチェーンを使ったロングタイプです。
蝶の羽のようなインクルージョンがひときわ目を惹くネックレス。
「Sliced Diamond」の模様を飾るように上下にセッティングされたメレダイヤモンドが、美しいデザインです。
ひとつひとつ形が異なる「Sliced Diamond」から左右が揃いそうな石をセレクトするため、ペアのピアスは貴重なアイテムです。
写真左:メレダイヤモンドを使い三角形にデザインしたピアスです。
モードなシェイプの「Sliced Diamond」の片隅にキラリと輝くメレダイヤモンドがアクセントとしても効いています。洗練されたデザインとシャープな輝きで顔周りを彩ります
写真右:スタイリッシュに揺れるU字フックデザインのピアスです。
耳元でシャープに揺れるグレーカラーの「Sliced Diamond」が光を反射して力強く美しい輝きを放ちます。
「Sliced Diamond」はルースからのオーダーも承っています。
AKIが厳選して買い付けたルースの中からお好みの石をお選びいただき、石枠のカラーやアームのデザインをご相談いただけます。お客様のお好みや石のイメージに合わせたデザインをご提案しております。
期間限定ショップなど各イベントの他、Shelbyアトリエオフィス(中目黒)へのご来店も承っております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
◆「Diamond」カットの歴史
ダイヤモンドの歴史は古く、インドでは紀元前4世紀には取引が行われていたと推定されています。古代インドの学術書には“神秘的な宝石”と記載されており、ダイヤモンドには強い魔力が宿ると考えられていました。ですが、当時はルビーの1/8以下の価格だったとも言われており、装飾品としての美しいジュエリーではなく、強い力が込められたお守りとして扱われていたようです。
インドのダイヤモンドは、エキゾチックなその他の商品と共に、ヴェネツィアの中世の市場に旅するキャラバンによって運ばれ、西ヨーロッパへの道が開かれました。 1400年代には、ダイヤモンドは、ヨーロッパのエリートのためのファッショナブルなアクセサリーとなっていました。
そして、1475年にベルギーのルドウィグ・ヴァン・ベルケムがダイヤモンドをダイヤモンドで磨くという方法を発明したことで、ダイヤモンドはその美しさは広く認知されていきます。
16世紀後半には、【ローズカット】が発明され、かつてないほどダイヤモンドの煌めきを表現するものとして、ヨーロッパ中の王族貴族に人気を博しました。 バラの蕾を思わせるドーム型のカットから放たれる優美で繊細な煌めきは時代を超えて人々を魅了します。
Shelbyの<Gravity>コレクションでもRose Cut Diamondシリーズとして登場しています。
17世紀には、現在のブリリアント・カットの原型とも言われる【オールド・マイン・カット】が開発されます。
19世紀末、電灯の発明とともにダイヤモンドのカットは再び考案されていきます。
1919年には現在も主流の【ブリリアントカット】のベースが登場。
ダイヤモンドの反射・屈折率といった光学的特性を数学的に考慮して最も美しく輝く型を理論的に見いだし、各切子面(ファセット)の形状や角度を算出、ダイヤモンドの輝きをきわだたせるように設計されました。
そして、2010年頃に市場に出始めたと言われる【Sliced Diamond】です。
技術の進歩により、原石を薄くカットすることができるようになったこと、
また、それまでは石の価値を下げるものとされていたインクルージョン(石の内包物)も自然の芸術として扱われるようになったことで、その価値が高まってきています。それぞれの石が持つストーリーを表したようなインクルージョンや模様、ひとつひとつ異なる輝きが “個” を大切にする現代人の考えに沿ったジュエリーとも言えるでしょう。
◆「Diamond」のお手入れについて
ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質です。
「ダイヤモンドは永遠の輝き」は、世界で最も有名な広告スローガンにはさまざまな意味が含まれています。 ダイヤモンドの不朽の魅力を表すものでもあり、 ダイヤモンドの氷のような美しさを指してもいます。 そして、ダイヤモンドの耐久性も表しています。 ダイヤモンドの形成プロセスの結果として、信じられないほどの耐久性がもたらされます。
ただし、ダイヤモンドも含めどのような宝石でもしかるべき箇所に十分な衝撃を受けると割れが生じます。
ダイヤモンドは原子が緊密に結合している方向にはより強靭ですが、結合がゆるい方向では靭性は劣りますので大きな衝撃には注意が必要です。(靭性は、衝撃への耐性や、破断や欠け、割れに対する抵抗の尺度です。)
尚、ダイヤモンドは糸くずの出ない布、市販の宝飾品用洗浄液、家庭用中性洗剤で安全に洗浄することができます。※家庭用でも刺激の強い洗浄方法は推奨しません。
さまざまな魅了をご紹介した「Sliced Diamond」は、記念日やブライダルのジュエリーとしてもオススメです。「ダイヤモンド」のプレシャスな雰囲気を保ちつつ、デイリーにも身につけれるるスタイリッシュさは、唯一無二の存在です。
華やかなシーンはもちろん、ぜひ日常のカジュアルなシーンにコーディネートして頂きたいジュエリーです。
*商品やオーダーに関するお問い合わせは、下記アドレスへお気軽にご相談ください。
info@shelby8.com